ロールスロイス売上好調の背景:ファントム、ゴースト、そしてレイス

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ロールス・ロイスの売上が好調だ。2014年7月には前年比33%の売上増加を発表し、2014年度の売上は過去最高を記録した。好調の背景には何があるのだろうか。


「自分で運転するための車」による新たな顧客の獲得

2013年に発表したレイスは、ロールスロイスの売上に大きく貢献しているようである。
「後部座席に乗るための車」であったファントムとは異なり、レイスは「自分で運転するための車」であり、このポジショニングが成功した。

自分で運転するためのスポーツカーとしては他にフェラーリなども存在するが、超が付く富裕層をターゲットとする場合、フェラーリとロールス・ロイスは競合関係とは言えないだろう。むしろ、彼らはフェラーリもロールス・ロイスも所有したがる層である。

「自分で運転する車」という位置づけは同じであっても、フェラーリとの間に一定の差別化も図っている。フェラーリがよりスポーツカーに寄っているのに対し、ロールス・ロイスのレイスは市内を走ることを主に想定し、より乗り心地にこだわっている。

レイス購入者の80%は、ロールス・ロイスにとって新規の顧客であるといい、新たな顧客獲得に大きく貢献している。

レイス
(上記はロールス・ロイス レイス)

レイス、ゴーストによる顧客層の変化

レイスやゴーストの功績は、新規獲得の数を増やしただけではない。今までリーチできていなかったセグメントにもアピールできるようになった。

若年層が獲得できるようになったのが、一つ目の功績である。特に増えているのが、若い、アジア人のオーナーであり、また相続をした人というよりは起業家が増えているのが特徴だという。

もうひとつの功績が、女性が獲得できるようになったことだという。ファントムの顧客のうち、女性は1%に過ぎなかったが、ゴーストやレイスがラインナップに加わったことにより、今や顧客の15%が女性だという。

ゴースト
(ゴースト V-SPECIFICATION)

生産台数の制限、価格帯の維持によるブランド力強化

ロールス・ロイスの売上が快調とはいっても、その販売台数は2014年の1年間で、世界で4063台に過ぎない。だからこそ、ロールス・ロイスの価値が維持されている。

今のところ、安易に低価格な商品販売に手を伸ばしていないので、今後も販売台数が急激に増えてブランドが大衆化することはなさそうである。新興国市場の拡大により5000台、6000台程度まで伸ばすことはあっても、1万台を超えることはないだろう。

ファントム
(ファントム メトロポリタンコレクション)

今後は車種を増やすことでニーズの多様化に対応か?

ロールス・ロイスは2016年の半ばに、新たにコンバーティブルタイプの車を発売することを発表している。また、ロールス・ロイスがSUVを販売するという噂も実しやかに囁かれている。

ここから予想するに、ロールス・ロイスは今後も価格や生産台数に注意をしながら、他方でモデルを増やすことで、新しい顧客の獲得に力を入れていくのではないだろうか。同時に、既存顧客の2台目、3台目というポジションも狙っているのではないかと考えられる。

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