以前にも紹介したボルボの7人乗りラグジュアリーSUV、XC90。アウディのQ7なども販売決定となる中、このXC90もついに日本で販売が開始された。改めて、その基本情報をまとめるとともにライバル車などとも比較していきたい。
評価ポイント
マイナスポイント
搭載されているエンジンはターボチャージャー付き4気筒エンジン。7人乗りの大型車で4気筒エンジンというと、何となく頼りないと感じてしまうかもしれないが、アウディのQ7でも4気筒エンジンを搭載している。走ってみると、そう不足感はない。ただし、パワーがQ7より少々劣っているのも事実であり、最高出力は187-235kW、最大トルクは350-400Nmである。勢いある、スポーティな走りを望む場合においては物足りなさもあるかもしれない。
しかしながら、その走りは極めて落ち着いたものであり、ラグジュアリーカーとしては十分価値がある。コーナリングでの安定感、ステアリングの反応の良さやブレーキの感覚の鋭さも抜群である。さらに、インテリアは高級素材を用いたゆったりとした空間が広がっており、3列目も大人が満足できる広さである。また、モニターも非常に使いやすく、先進的な技術が取り入れられている。
安全性に関係する装備もしっかりしており、高級車でありながら家族でも満足して乗れる雰囲気がある点は、まさにボルボの魅力が引き立っていると思われる。
海外でもその広々とした贅沢な空間が高い評価を受けている。
“Buyers seeking a contemporary, comfortable and richly appointed 7-seat AWD vehicle that also delivers outstanding fuel economy, exceptional comfort and world-class safety will find much to like in the new Volvo XC90.” — Kelley Blue Book
(近代的で、快適で、そして高級感もある7人乗りを探している人なら、新しいXC90はきっと気に入るだろう。優れた燃費性能、並外れた心地よさ、そして世界でも屈指の安全性能を兼ね備えている。)
“The 2016 Volvo XC90 sets itself apart from other three-row SUVs with distinctive Scandinavian design, cutting-edge technology and a fanatical focus on safety.” — Edmunds
(2016年のボルボXC90は、その他の3列SUVと一線を画している。一目で分かる北欧風デザイン、最先端のテクノロジー、そして驚異的な安全性能は際立っている。)
今回XC90はワールド・カー・オブ・ザ・イヤーのラグジュアリーカー部門の候補として残っている。その他に候補として選ばれているのは同じくSUVで7人乗りもオプションで可能となるアウディQ7、BMWのフラッグシップセダン7シリーズ、美しいデザインが目を引くジャガーのXF、そしてベンツのSUVとクーペを融合させたGLEクーペである。どれも高級感抜群で走行性能についても特徴ある車なので、どれが最終的に選ばれるかは分からないが、4月に発表される結果が待ち遠しいところである。