2016キャデラックATSの試乗レビュー – 新たにATS-Vも登場!

キャデラックATSはコンパクトセグメントのラグジュアリーカーである。
BMW 3シリーズは手強いライバルであるが、2016年モデルのATSなら渡り合える。
※参考: BMW新型3シリーズ試乗レビュー(2016)
新型キャデラックATS 評価ポイント
- 妥協なくスポーティーな味付けのハンドリング。
- キャデラックらしさが明確なスタイリング。
- 滑らかであると同時にしっかりしている乗り心地。
マイナスポイント
- リアシートおよびトランクはあまり余裕がない。
ATSはドイツのニュルブルクリンクサーキットでハンドリングを仕上げている。
性能は本物であり、プレミアムなスムーズさを備え、パッケージングも良くできている。
パワートレインの種類が多く、車内装備も豊富で、選択肢は多岐にわたる。
その分、価格帯は34,200ドルから63,700ドルまで倍近い開きがある。 ※約400~750万円
各装備を具体的に見ていこう。
パワートレイン
エンジンは燃費指向からハイパワーまで4種類で、トランスミッションおよび駆動方式との組み合わせは非常に多い。
- 1) 2.5リッター直4 (202HP)
・6速AT+リア駆動: 市街8.9km/L、高速14.0km/L - 2) 2.0リッター直4ターボ (272HP)
・6速AT+リア駆動: 市街8.9km/L、高速12.8km/L
・6速AT+4輪駆動: 市街8.5km/L、高速11.9km/L
・マニュアル+4輪駆動: 市街8.1km/L、高速12.8km/L - 3) 3.6リッターV6 (333HP)
・8速AT+リア駆動: 市街8.5km/L、高速12.8km/L
・8速AT+4輪駆動: 市街8.1km/L、高速11.9km/L - 4) 3.6リッターV6ツインターボ (464HP)
・6速マニュアル+ア駆動: 市街7.2km/L、高速9.8km/L
・8速AT+リア駆動: 市街6.8km/L、高速10.2km/L
グレードと装備仕様
グレードはベース、ラグジュアリー、パフォーマンス、プレミアムの4種類の他にハイパフォーマンスのATS-Vが加わった。
- ATS (base)
オートヘッドライト、デュアルゾーンエアコン、オートクルーズ、ブルートゥース、衛星ラジオ、iPod/USBインターフェース、17インチホイールなど充実している。本物に近い感触の合成レザーシートも含まれる。エンジンは直4の2種類から選べる。 - ATS Laxury
キーレスエントリ/スタート、レザーシート、フロントパワーシート(ドライバ側メモリ付)、リアカメラ、そしてアップルCarPlayとアンドロイドAutoを利用できるCUEインフォテーメントが加わる。エンジンは直4の2種類から選べる。 - ATS Performance
スポーツシート、キセノンヘッドライト、ハイエンドオーディオ、ドライバ・アウェアネス・パッケージ※などが加わる。2.5リッター直4は設定されず、標準は2.0リッター直4ターボで、オプションはV6である。 ※(衝突警報、オートワイパ、リアサイドエアバッグ、車線逸脱警報、リアクロス・トラフィック警報) - ATS Premium
ナビゲーション、18インチホイール、フルカラーヘッドアップディスプレイが加わる。
エンジンの設定はPerformanceと同じである。 - ATS-V
新登場したATS-VはATS Performanceの装備を継承しつつ、V6ツインターボ、18インチホイール、カーボンファイバー製エンジンフード、迫力を増したフロントとリアまわり、マグネティック・ライドコントロール・サスペンション※、リミテッドスリップデフなどで1ランク上の性能を実現している。 ※乗心地と操縦性を両立
安全装備
標準仕様でスタビリティコントロール、アンチロックブレーキ、8エアバッグなどが付く。
オプションで衝突警報、自動ブレーキ、車線逸脱警報、死角モニター、リア・クロストラフィック警報などが加わる。
気になる試乗フィーリングは?
ATS (base)からATS-Vまで、どのバリエーションもしっかり作られている。
エンジンが地味なベースグレードでさえ、シャシはスポーツカーとしての素質を備えていて、ステアリングの手応えがはっきりしていて、車体の姿勢を思い通りに操れた。
ターボとマニュアルミッションの組み合わせには、リミテッドスリップデフが標準で付く。
これにオプションの電子制御可変ダンパーを加えた試乗車はとても気に入った。
ノーマルモードで路面からのショックを柔らかく受け流すところは、BMW 3シリーズを凌ぐかも知れないと感じた。
短時間であるがATS-Vにも試乗できて、メルセデスベンツのC63 AMGやBMWのM3セダンやM4クーペに肉薄するハイパフォーマンスカーであることが確認できた。
2016年モデルのライバル車
- BMW 3セダン&4クーペ: 間違いなくキャデラックATSの最大のライバルである。
- レクサスIS: コンパクトなボディに2種類のV6エンジンを搭載していて、駆動方式はFRまたはAWDで、いずれもスポーティーである。
- メルセデスベンツCクラス: 同社のFRベースのラインナップの中では最もコンパクトであり、エンジンのパワーアップとインテリアのリフレッシュで魅力をアップした。
- 中古のキャデラックCTS: 同程度の予算で、余裕が十分なリアシートとトランクが手に入る。
2016キャデラックATS 総評
4気筒ターボは燃費とパワーを両立していて、値段もV6より割安で一番お買得である。
グレードとオプションは各自の好みでよいが、特にお勧めなのはパフォーマンス・バージョンにドライバ・アウェアネス・パッケージを付けることである。
レビュー動画/海外口コミ
First time I fell in love with an american car, much respect.
(アメ車に惚れてしまうなんて初めてだ、これはいい。)
It’s more reliable and cheaper to maintain than any German car.
(ドイツ車より信頼性が高くて維持費が掛からないな。)
I was a GM fan a long time ago, they lost me with hideous designs and underpowered cars, but it looks like I’ll be coming back to GM.
(ずっと前にはGMのファンだったけど、デザインもパワーもいまいちな車作りになってから気持ちが離れていた。でもこれならまたファンになる。)