日産が年内に自動運転技術搭載の車を国内で販売開始:自動運転技術搭載車の開発状況は?

Nissan IDS Concept featured at 2016 North American International
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日産は先日開幕したジュネーブモーターショーでこれからの車の在り方を描いた同社のビジョン「日産インテリジェント・モビリティ」を発表し、年内にも自動運転技術搭載のモデルを国内で販売することも明らかにした(トップ画像は自動運転技術を搭載予定のコンセプトEV「IDS」)。

「日産インテリジェント・モビリティ」

日産が今回発表したインテリジェント・モビリティは3つの柱によって成り立っている。

  • インテリジェント・ドライビング
    2020年までに主な販売先である欧州、アメリカ、日本、中国で販売する主要モデルに自動運転技術を搭載する。また、年内には高速道路上の単一レーンで自動運転を可能にした最初のモデルを国内で販売開始する。さらに、欧州でも同技術を搭載したモデル「キャシュカイ」を2017年に販売開始する。これに向けて年内には欧州での公道で自動運転のデモンストレーションを実施する。
  • インテリジェント・パワー
    EVの航続距離拡大に向けてバッテリーのエネルギー密度と性能を向上する。また、一回ごとの充電時間の短縮やEVの普及を促せるような技術開発に大幅な時間と予算を投資する。「ニッサンIDSコンセプト」については60kWhの大容量バッテリーを搭載し、1回の充電で550kmの航続距離(NEDCモード)を実現する。
  • インテリジェント・インテグレーション
    道路や情報ネットワーク、電力網といった社会インフラとの連携を充実させっることで渋滞の緩和や効率的なカーシェアリング、遠隔操作による車の新たな使い道やエネルギーマネージメントの効率化を実現する。また、日本、欧州、米国、メキシコ等の市場においてはEVの充電ネットワークを拡大する。

まだまだインテリジェント・ドライビング以外については抽象的な表現で開発状況がどこまで進んでいるか分かりにくいが、自動運転技術の開発やEVの普及に向けて日産がかなり力を入れていることはよく分かる。

年内や2017年海外発売分での自動運転はまだごく限られた条件内での利用

先述から分かるように、年内には国内で、2017年には海外で自動運転技術を搭載したモデル販売する日産だが、まだその利用はごく限られた条件内だけである。利用できるのは「高速道路上の単一レーン」のみ。欧州での公道での走行デモンストレーションもまだ行なえていないところからすると、あらゆる場所での自動運転というのはまだ時間がかかりそうだ。

自動運転に関してはグーグルがリードか

では、他社の自動運転技術搭載車の開発状況はどうなのか。

カリフォルニア州の車両局が各社に提出を求めた自動運転技術開発車両の公道テスト状況などによると、現時点では本来自動車メーカーではない、グーグルが圧倒的にリードしているという。グーグルの自動運転タクシー(ロボットタクシー)については以前も紹介したが、どうもその開発状況もずいぶんと進んでいるらしい。

グーグルが誇るのはその公道テストにおける走行距離。他社に比べても比較的長い走行距離を誇るフォルクスワーゲンが14,945kmなのに対して、グーグルは424,331kmという圧倒的な距離を走行している。ちなみに、今回高速道路の単一レーンのみでの自動運転技術を一般に解禁する日産の公道テスト走行距離はもっと短い。

また、これらの公道テストにおいて何らかの事情により自動運転から手動運転に切り替えざるを得なかった件数についても同局は資料を求め、公開している。これによると、グーグルでは手動運転の切り替えが341件であった。一方、日産は106件で他社に比べてかなり少なかった。しかしながら、グーグルと日産の公道テストにおける走行距離を考えたときに、この切り替えの件数を各社の開発度合いや技術量に直結させてはいけないことは明白だ。走行距離との関連を意識すれば、グーグルはかなり自動運転技術の開発が進んでいると考えられる。なお、データだけで見ると意外と苦戦しているのはメルセデス・ベンツかもしれない。走行距離はフォルクスワーゲンと同程度だが、公道テストにおける手動運転への切り替えは1,031回と他社より圧倒的に多い状況であった。

2020年という年

前回取り上げたロボットタクシーに関する記事でも、「2020年にはロボットタクシーが普及する」という見解があることを示した。今回の日産の発表においても2020年までに多くのモデルで自動運転技術を搭載するとあった。どうも、多くのメーカーの中で2020年という節目の年までに自動運転技術をある程度確立し、普及させようという意識はあるようだ。

日本においては、2020年は特に特別な年だろう。東京オリンピック開催の年だ。今から予測されている都市部での大渋滞。その課題解決策として自動運転車は大きな期待を持たれている。首相ですら東京オリンピックまでに自動運転車を普及させたいと言及しているのだ。2020年まで残り4年、ここからどれだけ自動運転が進み、普及するのか。ユーザーとしては期待の目で見つめていきたいところである。

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