新型シトロエンDS3レビュー:スペック・試乗・購入ポイント
8 11月, 2015
カクタスとはサボテンのことであり、名前からして曲者な、個性あふれるコンパクトSUVである。
日本で入手するには、現在は並行輸入しかないが、将来的には正規販売も期待できる。
今回の試乗はニュージーランドで実施した。
この車のライバルはニッサン・ジューク、マツダCX-3、ルノー・キャプチャー、プジョー・2008あたりだろう。
フロントエンドの奥に押し込んだヘッドライトと、その上方に離して置いたポジショニングライトはなんともユニークなデザインである。
ドアサイドに貼ってあるポリウレタン製プロテクタはエアバンプと名付けられていて、駐車場で隣の車のドアで傷付けられるような不運を防ぐアイテムだ。
パノラマガラスルーフは日射および車外騒音を遮断できる材質を使っているので、スライドブラインドが不要になった。
その他にも様々な工夫で軽量化していて、重量が1トンを切るグレードもある。
試乗車の仕様はディーゼルエンジンと機械式ATの組み合わせであった。
運転席に座ると、ステアリングに配置された各種スイッチと、スピードメーターやインジケーターとして働くLCDスクリーンが正面にある。
横には7インチ・タッチスクリーンのインフォテーメントがあって、各メニューのショートカットスイッチが便利であった。
オーディオは6スピーカーで16ギガバイトのハードディスクが付いている。
ATセレクタは3つのプッシュボタンになっていて、ドライブ、ニュートラル、リバースを指で押すシンプルな構造だ。ステアリングの傍にあるパドル・シフト・レバーを使ってマニュアルミッションに近い走りをすることもできた。
車内の居住性は良く考えられていて足元も頭上も余裕がある。
窓は見晴らしが良くて開放感があった。
助手席のエアバッグをルーフの前端に配置して、ダッシュ-ボードに大容積の収納スペース確保したのは、うまいアイデアだと感心した。
リアシートの座り心地は良いが、リアウィンドウは2ドア車のように外開きなので賛否が分かれそうだ。
擁護する側に立つなら、これは軽量化に有利な構造である。
シトロエンならではの素晴らしい乗り心地は、カクタスにも継承されていた。
路面のでこぼこから来るはずの衝撃はほとんど伝わらず、滑らかに走れた。電動パワステも良くできていて、凍結して滑りそうな山道の路面状態がリニアに伝わってきた。
高トルクのディーゼルエンジンは力強くてつづら折りの山道をぐいぐいと登って行けた。
但し機械式ATはギヤチェンジに時間が掛かりギクシャクしたフィーリングであった。
発進してすぐ車線に合流するときや、ヘアピンカーブの入口で減速して出口で再加速するときなどに目立って残念であった。
流れに乗って走っているときはこの機械式ATでも問題なかったが、マニュアルミッションで運転できる人はそちらを選択する方が良いだろう。
評価はドイツ社との比較が多く見られる。
wacky and funny car that makes a world of “dull german road confection” a happier place….
(風変わりで面白い車だね。ありきたりなドイツ車よりもワクワクする。)
by far not perfect but, it puts a smile on my face every time I see it…
(この車は完璧じゃないけど、見掛ける度に笑顔になってしまう。)
The push-out rear windows are a complete deal breaker.
(外開きのリアウィンドウは買う気が失せる。)
Absolute garbage. See this car driving in germany and each time i cringe.
(ポンコツだ。この車がドイツ国内を走ってるのを見る度に肩をすくめてしまう。)
賑やかな賛否両論が巻き起こるのは超個性的な車ならではだろう。