レクサスRX350(2017)試乗レビュー:安全性もアップして登場した2017年モデルの価値は?
26 12月, 2016
日本で発売されるなり、月間目標の40倍もの受注が殺到したレクサスLX。そこで今回は、新型レクサスLXの最新市場レビューを、海外の評価や口コミを交えてご紹介したい。
海外では以前より発売されており、2015年より日本にも導入された、レクサスのSUVラインナップの中で最も大型のレクサスLX。3列シート8人乗りと、一昔前ならミニバンに流れていたファミリー層の心をがっちりと掴んだのか、1100万円という価格ながら売り上げが好調だという。
人気の背景は、8人乗れるという利便性だけではない。ラグジュアリーなインテリアに加えて、荒れた道も難なく走破していける高いオフロード性能。またレクサスのSUV全体に共通していえる高い安全性能も、ファミリーには嬉しいだろう。
ただし、燃費性能は、レクサスやトヨタというブランドイメージに期待するレベルには及ばず、ライバルの大型SUVに一歩遅れをとっている。また、荷物スペースという点でも、8人の荷物を載せるにはやや心もとないサイズなのも事実だ。
“The 2016 Lexus LX 570 is an impressively refined and capable full-size luxury SUV, but its poor fuel economy, cramped third-row seat and aging interior design hurt its standing.” — Edmunds
2016年のレクサスLX 570は驚くほど洗練されていて、かつ性能の高いフルサイズラグジュリーSUVだ。ただし燃費の悪さ、狭い3列目シート、そしてやや古いインテリアデザインが玉に瑕だ。
“If you want to have a full-size luxury SUV that will turn heads and deliver you in style to wherever you need to go, but still want serious off-road capability in case of a zombie apocalypse, look no further than the 2016 Lexus LX 570.” — Kelley Blue Book
軽快に走り、どこへでも連れて行ってくれる。さらにはスタイルも兼ね備えている。そんなフルサイズラグジュアリーSUVを探しており、かつ必要であればゾンビの山すらも越えていけるような高いオフロード性能もあきらめたくないなら、2016年のレクサスLX 570をチェックすべきだ。
新型レクサスLX 570は5.7リッターV8エンジン搭載で、その最高出力は577PSと極めてパワフル。また加速も跳ねるような力強さがあるが、大きなボディのせいか、速度計ほどの速さを感じないのは不思議だった。悪くいうとスピード感が乏しいため運転の楽しさという点で物足りないが、良くいえば速度を上げても安定感と安心感を持って運転することができる。
雨の日にも走らせてみたが、乗り心地は快適。コーナーでも極めて安定した走りを見せてくれる。とはいえボディサイズが大きいため、近くできる程度のロールを感じたのもまた事実。この辺りは、同じ大型SUVでもBMWのX5の方が一歩上を言っているだろう。また、ステアリングフィールに関してもやや鈍い印象はあり、Fun to Driveのための車というよりは、快適さや実用性を重視している一台といっていいだろう。
オフロードでの走りを支えるための機能が充実しているのも、レクサスLX 570の特徴だろう。フルタイム4WDはもちろんのこと、エンジンの出力とブレーキを自動でコントロールしてくれることで、ドライバーがステアリングだけに集中できるようにサポートしてくれるクロールコントロール機能、路面状況に合わせて駆動力を適切に配分してくれるマルチテレインセレクトなど、このクラスのどの車よりオフロード機能が充実しているといっても過言ではないだろう。
車内に目を向けると、プレミアムな素材を使った高級感のあるキャビンに仕上がっている。デザインについては好みの問題ではあるが、やや古臭いという海外レビューもあるため、ぜひ自分の目で確認してほしい。1列目、2列目は充分なスペースがあり快適そのものだが、3列目は狭く、子ども用だと思った方が良いだろう。2列目や3列目はオプションでエンターテイメントシステムとサウンドシステムがつけられるが、この質が高いため、子どもと長時間ドライブをする人には嬉しい。
安全性能やドライブアシストといった機能面でも抜かりはなく、360°カメラシステムや、前後のパーキングセンサー、ブラインドスポットモニター、アダプティブクルーズコントロール、レーン逸脱警報システム、衝突回避システムなど充実つしている。ナビやBluetooth、USBポートなどもあり、利便性も充分だ。またオプションにはなるが、ワイヤレスでスマホを充電できる「おくだけ充電」は使いやすく、個人的に気に入っている。