レクサス新型LC500レビュー:新ラグジュアリークーペ、日本では2017年春頃販売
31 1月, 2016
日本でも人気の高いレクサスRX。2017年モデルは大きな変化がないものの、新しいセーフティシステムが搭載されてより信頼性の高い車になった。今回は海外での評価も踏まえながら試乗レビューを紹介したい。
日本では販売されていない、RX350(日本で販売されているのは、RX200tとRX450h)。
快適さ、安全性、滑らかな走りに信頼性を一定の価格内で求めたい人にとって、RX350は人気のある車である。ミッドサイズラグジュアリーSUVとしては魅力的な一台であり、広さのあるインテリアに気前のよさを感じる標準装備の豊富さとキャビンの居住性は優れている。また、豪華なだけでなく、スタイリッシュである。
一方で、パワフルさでいえばライバルと比べてやや劣ってしまう面もあり、カーゴスペースもこのセグメントにおいて広くない。そういった意味では、アウトドアを好む人たちにとってはやや不満の残る車でもあるようだ。良くも悪くも、日本で販売されているRX200tとRX450hの中間に存在するモデルである。
まず、インテリアの印象からいえば、広くて快適なインテリアである。
乗員のための十分な広さがあり、特に、多くの車で課題が出やすいリアシートについて評価できると感じた。足元も頭上も余裕があり、背の高い大人が乗る場合でも全く問題ない。しかも、リアシートをリクライニングさせればよりゆったりして感じられる。ただし、ルーフラインの問題で、リアシートについてはやや視野が狭い。大人だけでなく、もちろんチャイルドシートを二つ付けるといった、子どもに対する対応も十分である。チャイルドシートの定着装置は取り外しがしやすくなっている。
キャビンは全体的に高品質な素材を使っており、ツートンカラーを用いたハンサムなデザインになっている。座席にも豪華さがあり、包まれたような安定感がある。また、アップグレードすればさらにヒーター付きのシートなど、さらに快適さを求めることができる。
残念なのは、カーゴスペースの狭さだ。カーゴスペースは、このセグメントの中でも最も容量の小さい車の一つといえるだろう。ある程度の広さが欲しいと思う場合には、リアシートを犠牲にするしかない。しかも、リアシートを倒した場合でも、完璧にはフラットな状態にならないため、一定の妥協が必要となる。ハンズフリーのパワーリフトゲートのおかげで、荷物の積み込みはやや楽なのが救いであるが、荷物を詰め込んで出かけたい人にとっては、候補から外れざるを得ないだろう。
また、インテリア関連でもう一つ残念なのが、インフォテイメントシステムの使い勝手の悪さだ。RX350には、それこそ何度も言いたくなるほど多くの標準装備が搭載されている。しかしながら、この標準装備の一つとなっているインフォテイメントシステムは、多くの人に不満を持たせてしまいそうだ。スクリーンはダッシュボードのやや高めの位置にあり、この位置そのものは操作しやすい。しかし、アップグレードされたシステムそのものはやや複雑で厄介である。
次に、パフォーマンスだ。
レクサス350は、決してラグジュアリーミッドサイズSUVの中で最もたくましい走りをする車といえないが、それでもがっかりさせるほどではない。3.5リッターV型6気筒エンジンから生み出されるパワーは最大295馬力になり、搭載されている8速A/Tも苦労なくギアチェンジをしていってくれる。ただし、良くも悪くも、それ以上のものはなく、多くのライバルから抜きんでるものは持っていないともいえる。燃費もライバルと比べて平均的な値である。
それでも、一つ忘れていけないのは、RX350は基本的にパフォーマンスよりも快適さを重視してデザインされているということだ。走りそのものに勢いはなくとも、乗り心地は快適で満足できるものである。傾きを感じることもほとんどなく、ステアリングは少々反応が遅い印象もあるが、F Sportモデルを選べばその問題も解決する。また、F Sportに関してはハンドリングの性能も上がる。ドライビングモードも路面状況に応じて変更することができ、快適さは十分なものである。
2017年モデルは新しいセーフティシステムも採用され、より安全性の高い車になった。日本では購入できないモデルだが、海外ではアウトドアでなく、日常使いで快適なカーライフを楽しみたい人に人気の一台である。